3月11日に発生した東日本大震災は、宮城県沖の海底で発生しましたので、建物の崩壊による被害より、津波による甚大な被害が発生しましたが、平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は直下型だったので、家屋の倒壊による被害が多く発生しました。古い家屋のうち、1981年6月の新耐震基準が施行される前に建てられた家屋は、現在の耐震基準から見ると不十分な性能のものが多く、早めの耐震診断が必要となります。

耐震リフォームのポイント

土台

土台が腐っていたり、シロアリの害を受けていたり柱下が痛んでいる場合など、土台の取り替えや柱根継ぎを行う必要があります。取り替える場合は必ず防腐、防蟻処理をして、床下に調湿用の炭を敷き詰めると効果的です。

壁

「筋交い」を入れるか、構造用合板を貼ることにより壁の耐力をあげましょう。また、この耐力壁の配置が適切であるかもチェックする必要があります。

接合部

柱とはりや土台との接合部分が外れると、軸組としての力がうまく伝わらず、住宅が倒壊・大破することがあります。接合部分を金物でしっかり固定する必要があります。

屋根

重たい屋根は、地震の揺れを受けると振り子のように大きく揺れて建物を倒壊させる恐れがあります。重量のある日本瓦を軽量な材質に取り換えることも耐震性に有効です。

誰でもできるわが家の耐震診断(出典:財団法人 日本建築防災協会)

下の問診1から10までの質問に当てはまる答えの評点をご自分で加算してみてください。その点数でおおよその「わが家の耐震診断」が出来ます。ただし、この診断では地盤の影響については考慮していません。

Q1 建てたのはいつ頃ですか? 評点
A1 建てたのは1981年6月以降 1
A2 建てたのは1981年5月以前 0
A3 よく分からない 0
Q2 今までに大きな災害に見舞われたことはありますか? 評点
A1 大きな災害に見舞われたことがない 1
A2 床下浸水・床上浸水・火災・車の突入事故・大地震・崖上隣地などの災害に遭遇した 0
A3 よく分からない 0
Q3 増築について 評点
A1 増築していない。または建築確認など必要な手続きをして増築した。 1
A2 必要な手続きを省略して増築し、または増築を2回以上繰り返している。増築時、壁や柱を一部撤去するなどした。 0
A3 よく分からない 0
Q4 痛み具合や補修・改修について 評点
A1 痛んだところは無い。または、痛んだところはその都度補修している。健全であると思う。 1
A2 老朽化している。腐ったりシロアリの被害等不都合が発生している。 0
A3 よく分からない 0
Q5 建物の平面はどのような形ですか? 評点
A1 どちらかというと長方形に近い平面 1
A2 どちらかというとLの字・Tの字など複雑な平面 0
A3 よく分からない 0
Q6 大きな吹き抜けがありますか? 評点
A1 一辺が4m以上の大きな吹抜けはない 1
A2 一辺が4m以上の大きな吹抜けがある 0
A3 よく分からない 0
Q7 1階と2階の壁面が一致しますか? 評点
A1 2階外壁の直下に1階の内壁または外壁があるまたは平屋建である 1
A2 2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がない 0
A3 よく分からない 0
Q8 壁の配置はバランスがとれていますか? 評点
A1 2階外壁の直下に1階の内壁または外壁があるまたは平屋建である 1
A2 2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がない 0
A3 よく分からない 0
Q9 屋根葺材と壁の多さは? 評点
A1 瓦など比較的重屋根葺材であるが、1階には壁が多い。または、スレート・鉄板葺・銅板葺など比較的軽い屋根噴材である 1
A2 和瓦・洋瓦など比較的重い屋根噴材で1階に壁が少ない 0
A3 よく分からない 0
Q10 どのような基礎ですか? 評点
A1 鉄筋コンクリートの布(ぬの)基礎またはベタ基礎・杭基礎 1
A2 その他の基礎 0
A3 よく分からない 0
判定 Q1〜10の評点を合計してみてください
評点の合計 判定・今後の対策
10点 ひとまず安心ですが、念のため専門家に診てもらいましょう
8〜9点 専門家に診てもらいましょう
7点以下 心配ですので、早めに専門家に診てもらいましょう