バリアフリーのリフォームと言うと、高齢者や体のご不自由な方のためと思われますが、家の中の危険は誰に襲うか分かりません。高齢の方はもとより、妊娠している方、病気の方、幼児、訪問してきたお客様が快適な毎日を過ごせるように準備しておきましょう。

バリアフリーリフォームのポイント

段差をなくす

段差をなくすこと。これは、バリアフリーリフォームの基本です。室内ドア枠と床との段差、洋室と和室との段差、廊下とトイレの段差、浴室と脱衣室との段差など室内にはたくさんの段差があります。浴室の場合、脱衣室側への水漏れを考慮して、段差を設けているのが一般的ですが、最近のシステムバスはほとんどがフラットフロアーになっています。

手すりをつける

浴室だけでも、浴室出入り用縦手すり(脱衣所側と浴室側)、移動用横手すり、浴槽出入り用手すり浴槽内立ち座り用手すり、洗い場立ち座り用手すりこれらが必要となります。また、階段、廊下、玄関、玄関アプローチにも設置しましょう。

引き戸にかえてみる

外開きの扉は向こう側に立つ人にあたる可能性があります。引き戸にして有効幅を800mm以上にすれば、車椅子でも使えます。

明るい足下

小さな段差でもつまづきの原因となります。階段、廊下、玄関アプローチなどには、足元を明るくするリフォームが必要です。

すべらない素材

廊下、階段、浴室、玄関のアプローチなどに使用する素材は、滑りにくい素材を選ぶことが大切です。特に浴室は水を使う場所だけに、滑りやすい床材は転倒事故につながる恐れがあります。表面がザラザラしているタイルや、凹凸のある素材のものを選ぶようにしましょう。

高齢者のためのバリアフリーリフォーム

「つまずきやすい」「立ったり座ったりの動作が困難」「平衡感覚が鈍る」など、高齢者の身体的な変化は様々ありますが、忘れられがちなのが「目の衰え」。その代表格が白内障です。白内障が進むと色を識別する能力の低下を招きます。青と緑、青と灰色、白と黄などの見分けがつきにくくなり、同色系でまとめられたインテリアなどでは、その差がほとんど認識できなくなり、つまづいたり転倒する原因となります。

高齢者リフォームにおけるポイント

  • 床と壁に色の差(コントラスト)を
    • 最近は白い壁紙のインテリアが好まれていますが、これは壁と床の境目が分からず足をぶっつけたりすることがあります。床(水平)と垂直(壁)がわかるよう色変化をつけることが大切です。
  • 置き家具は床色と異なるものを
    • 上記と同様の理由から、気をつけておきたい個所です。
  • 玄関の三和土と上がり框
    • 段差をなくすのが一番ですが、素材の色の違いをくっきり出しておくのも効果的です。
  • 脱衣所と洗い場
    • これも段差をなくすリフォームがお勧めですが、色の差をつけておくことが大切です。
  • 浴室の洗い場と浴槽
    • 洗い場の床色と浴槽の色が同系色の場合は、ご注意ください。
  • 階段の蹴上げと踏み面
    • このような箇所にも色のコントラストをつけて、高さ(低さ)がはっきりと認識できるようにしておけば、目の衰えによる事故を減らすことにつながります。