省エネリフォーム

住宅内部の温度が外気温度の影響をうけにくいように対策をほどこすことを「断熱」といいます。保温ポットのように、中の温度が長時間かわりにくい構造をイメージするとわかりやすいでしょう。断熱によって、冷房・暖房が効きやすく、温度のムラも少なく快適になります。それでは実際どのようなアプローチで行ってゆくのかご説明いたします。

省エネリフォームのポイント

窓

窓は、熱の出入りが一番大きいところです。熱伝導率の低い樹脂と複層ガラスを組み合わせることで、一般的なアルミサッシと比べて約3倍の高い断熱効果を実現出来ます。

壁

床・壁・天井・屋根から熱は出入りします。断熱材を入れてしっかりブロックしましょう。断熱材には素材から大きく分けて、木質繊維などの「自然系」、発泡スチロールなどの「プラスチック系」、ガラス繊維などの「鉱物系」があり、それぞれに特徴があります。

< 自然系 >・・・健康や環境にはやさしいが、材料コストが高くなる面も

 セルロースファイバー(吹込み)

新聞古紙が主原料。古新聞を粉砕し綿状にしたリサイクルエコロジー製品です。吸放湿がよいので気密シートがなくても結露の心配もなく、吸音性にも優れ、防虫効果もあります。自然系断熱材の中ではローコストな製品です

< プラスチック系>・・・断熱性は高いが石油化学系のため、健康や環境面に配慮が必要。

 ポリエチレンフォーム

原料はポリスチレン樹脂と難燃材、発泡剤です。押出しながら成形します。断熱性、耐圧性、耐候性に優れ、吸水・吸湿性熱伝導性が小さいことが特徴で外張り断熱によく使用されています。基礎の外断熱に使用すする場合は、シロアリ対策が必要となります。

 硬質ウレタンフォーム

外張り断熱の定番品。押出ポリスチレンより熱伝導率が低い、すなわち断熱性能が高い商品です。シロアリの被害を受けやすいので、基礎断熱に使用する場合は対策が必要となります。難燃剤が含まれていますが燃える性質があります。燃えると有毒ガスが発生する恐れがあります。

 フェノールフォーム

優れた耐熱性と汎用性を併せもつ商品です。特に防火性に優れ、炎を当てても炭化するだけで煙や有毒ガスの発生がほとんどなく、不燃・準不燃材料の認定を得ています。断熱性能も高く、透湿係数は低い商品です。

< 鉱物系>・・・比較的低価格で加工もし易いのですが、結露し易い欠点もあります。

 グラスウール

ガラスを繊維状にしたもの。マットやボードなど。 安く、燃えにくく、白蟻がつきにくいことが利点で、回収された空き瓶や工場の廃棄ガラスなどを素材としたリサイクル製品でもあります。 結露対策には、気密などの計画と施工が必要となります。

 ロックウール

玄武岩などを繊維状にしたもの。 軽くて、耐久性や耐火性、吸音性があり、性能や価格はグラスウールとほぼ同等です。

簡単にできる窓の省エネリフォーム

夏の冷房時、住宅の中で熱の侵入が一番大きいのは「窓」です。その割合は何と71%にもなります。次いで多いのは外壁で13%、屋根が9%、換気が5%となっています。ですから、窓を断熱することが、最も効率的な省エネと言えます。

 簡単にできる窓の断熱
【窓断熱スプレー】
窓ガラスにシリコンコーティング材を吹き付ける方法で、最もお手軽で価格も安い断熱方法です。2,000円程度のスプレーをガラスに吹き付けるだけで、熱流が28%ダウンできるとメーカーは公表しています。
【熱断熱シート】
窓ガラスにポリエチレンシートのフィルムを貼る方法です。シート自体の断熱とガラスとの間に出来る空気層で断熱するもので、170cmx180cmの窓で3,000円くらいでできます。断熱性能を実感できるとの評価がありますが、一方では外の景色が見えなくなり、部屋が暗くなったとの評価もあります。
【二重窓】
既存の窓の室内側に、新たな内窓を設置する方法です。既存窓とうち窓の間に隙間(空気層)が出来るので、断熱効果とともに防音効果が高くなります。例えば、サッシ大手の「リクシル」では、リフォームで簡単に設置できる「インプラス」シリーズを勧めています。インプラスは内窓のサッシは樹脂で出来ていますので更に断熱効果が上がっています。